化学のメモ帳

最近は自分のノート代わりに使ってます。

w/w%からw/v%への変換

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今回も単位換算の話をします。

第3回は【w/w%からw/v%への変換】です。



まずw/w%とw/v%の定義からおさらいしましょう。
w/w%
溶液100 g中に溶質が何 g溶けているか
w/v%
溶液100 mL中に溶質が何 g溶けているか


次にw/w%からw/v%へ変換する方法を考えましょう。まずw/w%からw/v%へ変換すると変わるものを確認します。

先に述べた各単位の定義から確認すると、
「溶液の単位がgからmLへ変化」していることがわかります。



ということは溶液の単位をgからmLへ変換すればいいはず。「溶液の密度g/mL(≒比重)」を使うと…

溶液g ÷ 溶液密度g/mL=溶液mL
となります。



したがって、w/w%は次のようにしてw/v%に変換出来ます。

w/w%=(溶質g/溶液g)✕100
であるので、

w/v%
={溶質g/(溶液g÷溶液密度g/ml)}✕100
={(溶質g/溶液g)✕100}✕溶液密度g/mL
=w/w%✕溶液密度g/mL


つまり
w/v%=w/w%✕溶液密度g/mL
となります。

逆に変換したければ
w/w%=w/v%÷溶液密度g/mL


また同様の考え方を用いて、v/v%への変換する際に応用すると次のようになる。
v/v%=w/v%✕溶質密度g/mL
v/v%=(w/w%✕溶液密度g/mL)✕溶質密度g/mL



そもそもこの単位変換ってどういう時に使うのでしょうか?最後に私の場合の使用例をひとつご紹介します。



−私の周辺での使用例−
粘度の高い試料を、w/v%単位で含量分析するとき。

通常w/v%単位であれば、試料採取は体積単位(mL)で行う。しかし粘度が高い試料の場合は、ホールピペットを使うと壁面にへばりつき上手く採取できない。

そこで試料を質量(g)で量り取って、w/w%単位で含量を求めてからw/v%に変換することに。


この他にも欲しい量だけの容量を持つガラス器具がない時に使ったりします。

今回は以上となります。

次回はモル濃度とファクターについてお話し、
溶液の濃度単位シリーズを一旦終えようと思います。

それでは!


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